[an error occurred while processing this directive]

英語教授法を学ぶため、教職を中断して大学院へ
英語教育のプロを目指し、いつか博士号にも挑戦したい

大学:シドニー大学
専攻:TESOL
留学期間:2010年3月〜2011年1月

1983年生まれ、長崎県出身。公立高校で3年間英語教師として勤務した後、かねてからの念願だった大学院留学を実行。シドニー大学のTESOLの修士課程で学んだ。帰国後は再び英語教師として教壇に立っている。

大いに学び、大いに遊んだかけがえのない1年でした

シドニー到着直後のシドニー観光。ハーバーブリッジを背景に

大学の友人との市内観光

メインキャンパス

全授業終了後に行われたTESOL専攻学生と先生方とのパーティ

プレ卒業式で記念撮影

大学での式典に参加

Q:大学院留学前の経歴と、留学の動機を教えてください。

A:長崎県内の公立高校で英語教師として働いていました。教職3年目に受験生の担任をし、ひとつの節目を迎えたところで、かねてからの夢であったTESOL大学院留学に挑戦したいと思いました。TESOLについては大学時代から興味を持っており、教員としての職場経験を踏んだ後に、いつか海外の大学院で学びたいという強い思いをずっと抱いていました。

Q:留学先にオーストラリアを選んだ理由は?

A:オーストラリアにはLOTEという言語政策があり、現地の子供たちは、小学生の時から第2外国語として日本語やスペイン語など、さまざまな言語を学ぶことができます。このような特有の教育政策をもつオーストラリアで、言語教育・文化教育についての研究をしたいと思いました。

Q:留学先のシドニー大学の魅力は?

A:キャンパスが広く、緑も豊かなため、学生が芝生で勉強しているのをよく見かけます。図書館の数も多くて、集中して勉強できる場所はたくさんありました。

Q:島崎さんにとって、シドニー大学のTESOLはどんな魅力があったのでしょうか?

A:1年間で卒業できるコースワークプログラムに魅力を感じました。日本の大学での専攻が国際関係学だったので、基本的な理論を広く学べるシドニー大学のTESOLプログラムは私にとって最適でした。コースワークプログラムでありながら、リサーチができるカリキュラムは他にないシドニー大学の特徴だと思います。

Q:プログラムの具体的な内容を教えてください。

A:シドニー大学のTESOLプログラムでは、1年を通して8科目の授業を修了し、研究を行っていきます。授業は1時間の講義、1時間のチュートリアルの2時間で構成されており、1科目につき、主に2つの論文提出が伴います。授業では、理論と実践の両側面にバランスよく目が向けられており、授業前に指定された1〜2本の論文を読むことと、現場での経験を踏まえ、チュートリアルで「理論を現場にどういかすか」について議論することが求められます。生徒と教員の距離は非常に近く、先生方は授業外でも親身に指導・助言をくれました。

Q:クラスはどのような生徒で構成されていましたか?

A:さまざまな国籍の生徒がいましたが、私が在学した当時は中国、韓国、オマーンの生徒が多かったように思います。それ以外にもカナダ、スウェーデン、タイ、タヒチ、台湾、イラクからの留学生などで、年齢は25歳から50歳前後まで。現地の学校や教育機関で働いている先生方もたくさんいて、クラスメイトの国籍やバックグラウンドはさまざまでした。教育学部ということもあり、女性が多かったのですが、キャリアアップを目指す意識の高いお母さん方も多くいました。家族と1年間離れての留学は大きな決断だと思いますが、彼女たちからは「教師」として、そして「女性」として、たくさんの良い刺激を受けました。

Q:特に印象的だった授業は?

A:一番印象深かった授業は「Research Methods」です。リサーチはまったくの初心者だったので、最初は授業についていくのに精一杯でしたが、1学期間で本を100冊以上読み、わからないところは納得するまで先生や友人に質問しました。クラスメイトや先生に助けられて、最後に研究計画書を仕上げた時には言葉にできない達成感と喜びを感じました。努力の甲斐あって、この研究計画書は90点という高得点を頂き、授業外に時間を割いてくれた先生や、勉強会を開いてくれたクラスメイト、数学や基本的な理論を根気強く教えてくれた友人にとても感謝しています。

Q:課題についてはいかがですか?

A:「Methodology(指導法)」の教材・教案作成です。インターネットや雑誌を用い、1から独自の教材を作成し、指導案を作成しました。全てを自分でデザインするのはたやすいことではありませんでしたが、歌詞や写真、手紙やパンフレットなど、いろいろな「教材」を集めて作成する過程は非常におもしろく、教師としての教科力を伸ばす機会になったと思います。論文の後半では、教材選択の理由や授業プランの詳細を、理論をもとに学術的に説明していきました。この課題では、教師としての実践力と研究者としての論理的思考力の双方が求められましたが、論文執筆の全過程において楽しみながら取り組むことができました。

Q:印象的だった先生はいますか?

A:どの先生方も本当に素晴らしかったのですが、印象深かったのはリサーチを教わった教官です。とても厳しい先生でしたが、常に生徒の意見を重視し、生徒主体の授業を展開してくれました。毎回行われる生徒のプレゼンテーションを土台に、私たちの疑問点を取り上げ、いつもニーズにあった授業を行ってくれたと同時に、物事を批判的に見る目を養わせてくれました。課題には、いつも一人ひとりに丁寧なコメントと助言を与えてくれ、授業外での質問も常に受け付けてくれました。先生からは「勉強の仕方、研究者としての心構え、そして教師としての姿勢」を教わったように思います。

Q:日本の大学と異なる点はどんなことでしたか?

A:読書量の多さです。授業についていくため、そして課題に取り組むために、1年間で約1000本近くの論文(本を含む)を読みました。何より意義深いのは、その過程で研究の面白みを知ることができたことです。必要な資料を厳選して集める力、物事を論理的に組み立て表現する力を養うことができました。また、オーストラリアで勉強をする中で、critical thinking やoriginality がいかに重要であるかを痛感しました。

Q:シドニー暮らしをどのようにエンジョイしましたか?

A:勉強の合間に、ビーチでのバーベキューや野外映画、夜のピクニックなど、シドニーでは豊かな自然の中でのアウトドアを楽しみました。さまざまな国の人々が集まっている街だけに、食事がとてもおいしく、日本ではなかなか食べられないレバノン料理やマレーシア料理、ギリシャ料理やモロッコ料理など「世界の食堂」を楽しむことができました。遊び以外でも、現地の日本語補修校で働く機会にも恵まれ、現地の子供たちに日本語を教える新しい経験も得ることができました。本当に充実した1年だったと感じます。

Q:帰国後は英語教師に復職されたのでしょうか?

A:留学を機に前職を退職しましたが、幸運にも、再び英語教師として教壇に立てることになりました。「英語教授法」を専門的に学ぶことができた今、今後は英語教育のプロを目指すべく、教師としての経験とキャリアを積んでいきたいと考えています。留学中に立てたリサーチ計画を練り直し、またいつかシドニー大学にて、博士課程にチャレンジできたらと思っています。

Q:今振り返って、大学院留学にはどんな意義がありましたか?

A:この1年は私にとってかけがえのない時間でした。今までの人生の中で一番本を読み、勉強し、学ぶ楽しさを知った1年であったとともに、その中で一生の友達を得ることができました。毎日図書館で遅くまで勉強したり、友人たちと議論を深めながら研究室に泊り込みで論文を書いた日々は、貴重な私の財産です。これらを全てやりきれたことで、自分に対する少しの自信も持てるようになりました。私にとっての大学院留学は大いに遊び、大いに勉強し、しっかりと力をつけて、充電できた時間だと考えています。

Q:大学院留学を目指す人に向けてアドバイスをお願いします。

A:大学院留学は私の長年の夢でした。その夢をオーストラリアという素晴らしい国で達成できたことを嬉しく思います。海外留学にあたっては、大きな決断を前に人生や仕事など、さまざまな悩みが立ちはだかることと思います。私も、自分の能力に対する不安や、仕事をいったん中断することへの躊躇から約2年悩みました。しかし、今大学院留学を終えて思うことは「やればできる」「挑戦して本当によかった」。この2つにつきます。信じられないことですが、卒業時には光栄にもDegree with Merit をいただくことができました。
ここで得られる経験は、不安を打ち消すほど素晴らしく意義深いものです。学びに対する意欲が少しでもある限り、みなさんには自分の可能性を最大限にいかすべくチャレンジしてもらいたいと思います。これらの経験は英語教師として、英語を学び続ける一人間として、かけがえのない経験と学びへのモチベーションを与えてくれるものと信じています。